アイダ・ロルフ博士のロルフィング(Rolfing)とは

無理のない、しなやかな身体作り

ロルフィングの誕生

ロルフィングの始祖であるアイダ・ロルフ博士は1896年生まれの女性生化学者です。
ニューヨークのロックフェラー研究所で働き、最終的には共同研究者に達するほど生化学者としても優れた人物でした。

彼女は若いころから、オステオパシー、ヨガ、ホメオパシー、カイロ、ゲシュタルト・セラピーなどから数々の身体・神秘・精神の探求にも積極的でした。
彼女は事故でピアノを弾くことが出来なくなった音楽講師に「あなたの腕を治すことが出来たら、子供に音楽を教えてほしい」と申し出て、 その音楽講師の腕を治したことがきっかけで、施術をするようになりました。
その後アイダ・ロルフの下に他では治すことが出来なかった人々の列が出来るようになりました。
のちに痛みのある箇所だけを治しても痛みは他へ移るだけで、身体全体を統合させ、重力に沿った身体のバランスを整える、今のロルフィングのスタイルが1950年代に確立されました。

ロルフィングが着目する筋膜とは?

ロルフィングは、身体のバランスをとる上で重要な役割を果たす筋膜に働きかけます。
この「筋膜」は筋肉を包んでいる膜の様に思われますが、実は筋肉だけではなく、 骨、神経、心臓などの臓器、リンパ管、血管、身体中のあらゆる組織を包んで(ラップして)います。
言いかえれば、私たちは頭のてっぺんからつま先まで、筋膜に張り巡らされています。

筋膜の主な成分のコラーゲンはほとんど水分で出来ています。
これらの筋膜は、過度なストレスや毎日の習慣的な動きかた、トラウマや怪我や事故などで水分を失って硬くなり、ひっつき(癒着)を起こします。
ロルフィングでは、この癒着した筋膜に、圧を加え、癒着を剥がすことで筋膜は再度水分を取り戻し、動きが滑らかになります。
身体の中の筋膜は必ずどこかで繋がっているので、水分不足で硬くなった筋膜、癒着している筋膜がどこかにあれば、その違和感は身体全体に及びます。

ロルフィングと重力

ロルフィングを語る上で、重力は切り離せません。
ロルフィングは10回のセッションで順序を追いながら、身体のパーツが重力に逆らわない動きをとれるように配置します。
バランスのとれた身体には重力は重くのしかからず、身体に安定を与えてくれます。

身体の構造を統合する

私たちの身体は、首、腕、腰、脚1か所だけで動くことはまずありません。
立っている姿勢から腕を前に上げようとした時に、最初の働く筋肉は腕ではなく、ふくらはぎです。
身体は常に重力下で転ばないように、身体全体を使って安定させながら動いています。 この身体全体の繋がり(ネットワーク)を妨げている癒着した筋膜を弛め、新たな動きを学ぶことで、より楽に繋がるように身体を統合していきます。

身体への教育こそがロルフィング

「今の身体」は「今までの蓄積」です。つまり今までの身体の使い方が今の姿勢・痛み・疲労感を作っています。
動きが変わらなければ、良い変化も一時的なものとなってしまいます。 マッサージを受けに行って調子が良くなっても、数日で元に戻るといった経験はありませんか?
その為ロルフィングでは、私たちの一方的な施術ではありません。受け手の方の気づきを引き出しながら、 今までの身体の使い方を見直し、ゆがみを戻し、バランスを整えて、そして新しい身体の使い方を教育・学習していきます。

使い方が変われば、身体は必ず変わります。
負荷の少ない動きは、動くことが楽しくなるな身体を作ります。

ロルフィング若葉のロルフィングに対する考え方は、イキイキした身体作りのページへどうぞ!